続・球根 ~その3~
「
植物検疫証明書の発行は可能となったものの、その前提となるべき線虫分析レポートは、検疫所では行なわないと言われた清水さん。この事態をどう打開していったのでしょう。
「植物検疫証明書」というものは政府が発行する証明書なので、どうしても検疫所抜きには考えられません。しかし、「線虫分析」という検査は、必ずしも公的機関でなくても、民間の検査機関でも行なわれているのです。
清水さんには、該当する民間検査機関の心当たりがありました。そこで、清水さんはふたたび容子さんに尋ねます。「バミューダから送ってもらった線虫分析レポートの書式に記入・署名するのは、民間の検査機関でも大丈夫でしょうか」と。
容子さんはバミューダ植物園に質問をして確かめました。そして「検査機関は民間の企業でもかまわない」との返事をします。
清水さんは、東京にある民間の線虫検査機関にレポートの書式を提出し、検査を依頼します。いくつかの質問事項のやり取りを経て、検査が実施されることになりました。
そして、無事検査が終了し、レポートがバミューダ政府に提出されました。
すると、その内容が了承され、めでたく植物輸入許可書の発行と相成ったのです。どれほど紆余曲折を経た末の発行だったか、このリチャードソンさんの笑顔が物語っているのではないでしょうか。
やりましたね、清水さん! やりましたね、容子さん!
さあ、あとは、日本の植物防疫所に植物輸入許可書が届き、それに基づいて植物検疫証明書が発行されれば、輸出の準備が整います。楽しみに待つことにしましょう。
ブログ屋番頭
」